介護予防(フレイル予防)のための運動療法
大渕 修一
理学療法ジャーナルVol.57 No.12
2023.12 p1409-1413
・介護予防では老いを受け入れながら、心身の健康を維持していくことが重要である。
・介護予防には中等度以上の身体活動が有効であり、日常生活に中等度以上の負荷となる活動を増やすことを意識するように指導する。
はじめに、疾病予防に加えて、近年、介護予防への関心が高まってきた背景を述べ、疾病予防と介護予防(フレイル予防)のそれぞれの定義と目的について解説している。
次に、介護予防(フレイル予防)のための身体活動として、運動強度、日常生活における取り組みについて述べている。そして、疾病予防と介護予防の関連性について述べている。
疾病予防:疾病の発症を遅らせる、発症そのものを防ぐための取り組み。
介護予防:健康でいきいきとした生活が送れるよう生活機能の低下を遅らせる、防ぐための個人や地域での取り組み。
運動強度
中等度以上の負荷となる身体活動が有効とされている。身体活動であればなんでもよいと思われがちであるが、散歩や体操などの低負荷の身体活動は効果が限られる。
日常生活
日常生活内での介護予防の取り組みとして、習慣的な活動の負荷レベルを高める意識を持つ。買い物の場合は移動時間の短縮を図る、体操の場合は筋疲労を目安に運動回数を増やすなど。
介護予防は老いを受け入れ、心身の健康を維持していくことが目的とある。老いることは自然なことであるが、いろいろなことが出来なくなる、難しくなってくることなどを受け入れられないケースも少なくはないと感じる。
自分自身も介護予防事業である「通いの場」へ参加をしている。通いの場では、運動の必要性や健康寿命を延ばすことなどについて講義することはあるが、その中で「老いを受容する」という考えは自身自身も持っていないところであった。
老いていくなかで、どのように健康を維持していくのか、老いの受容を促すとはどういうことなのか、今後も介護予防事業、通いの場へ関わっていくなかで考え、地域に住む高齢者への理解に繋げていきたい。
記事:ながちゃん