脊椎圧迫骨折後の臥床期における理学療法の工夫

(230129配信)

脊椎圧迫骨折後の臥床期における理学療法の工夫

森川 大貴  石田 和宏  宮城島 一史

理学療法ジャーナルVol.56 No.12 2022.12 p1403-1412



【文献の要点】


・臥床期の理学療法実施前に処方箋や診療記録、画像所見から予後予測を行う。

・骨折部が疼痛の主の要因であるが、筋性疼痛や心因性の疼痛も関与がみられる。様々な疼痛の影響があることをイメージし、疼痛評価を行う。

・骨折部のリスク管理をした上での、疼痛コントロール、廃用予防から離床期へ移行できるよう介入する。



【文献の基本構造】


 臥床期の理学療法開始、介入前の情報収集のポイント、診療記録と画像所見からの予後予測の考え方を図とともに説明している。次に、介入開始してからの疼痛、機能評価、実際の理学療法、アプローチの工夫について述べている。



【理学療法評価・介入の工夫】


〇疼痛・機能評価


 疼痛の主の要因は骨折部への侵害刺激だが、筋性疼痛や心因性疼痛の影響も考えられる。表に疼痛の原因とその特徴、疼痛評価で考慮する点をまとめている。入院前の生活や社会的背景などの把握も重要となる。


〇理学療法


 臥床期は骨折部のリスク管理をした上で疼痛コントロールと廃用予防が重要となる。本稿では疼痛コントロール、疼痛管理の観点から、ポジショニング、患部外運動、物理療法、寝返り動作について解説している。



【まとめ】


 医師の指示のもと、入院後にコルセットを採型、作製されるまでの1週間程度が臥床期間となる。安静期間となるため、臥床期の介入、アプローチは限られることも多いと思っていたが、スムーズに離床期へ移行するために、また、個別性の高い理学療法を提供するためにも、介入前からの情報収集と予後予測、また適切な疼痛評価が重要となる。離床し運動が開始となる前に予後予測や疼痛や離床、動作への不安の軽減を図るところから理学療法は始まっていることを改めて考えたい。

さらに、本稿はでQRコードを読み取ることで、臥床期における関節可動域評価、患部外運動、寝返り動作を動画で確認することができるようになっている。図(写真)と文字の説明に加え、動画で見ることができ、より理解、イメージしやすい。



記事:ながちゃん

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