理学療法における骨粗鬆症による骨折予防のための運動療法
赤羽根良和
Journal of Physical Therapy Vol.38 No.8 2021.8 P721-729
骨粗鬆症患者の転倒予防や骨折予防のための運動療法に関する報告
1)転倒危険因子
2)転倒予防に関する報告
3)骨密度維持・上昇に関する報告
4)骨折予防に関する報告
5)骨折と運動療法の接点に関する報告
骨粗鬆症による骨折予防のための評価
1)可動域・柔軟性評価
2)筋力
3)バランス評価
骨粗鬆症による骨折予防のための運動療法
1)可動域・柔軟性
2)筋力増強運動
3)バランス練習
骨粗鬆症患者の骨折予防の運動療法に関する報告、必要な評価方法、実際の運動療法が記載されている文献となっている。評価や運動療法の方法が図で説明されているため、すごくわかりやすい構成になっています。
骨粗鬆症とは、骨が脆弱化した状態で転倒により骨折リスクが増加する。運動療法では、骨密度の維持・上昇、転倒予防、骨折予防が期待されている。
転倒危険因子として転倒既往、歩行能力(脚運動能力)特定薬物の服用などが挙げられる。転倒予防に関する報告として運動療法を中心とした下肢の筋力増強運動やバランス練習を中心に行う。
骨密度維持・上昇に関する報告として骨密度上昇には骨に一定以上の負荷を加える必要がある。骨折予防に関する報告として運動療法と骨折予防に関連づけた報告は少ない、個々に合わせた衝撃や負荷が必要だある。
骨折と運動療法の接点に関する報告として運動療法では可動域拡大、筋力増強、バランス機能向上、有酸素運動により骨折を予防が期待されている。
骨粗鬆症による骨折予防のための運動療法に関する評価として、可動域・柔軟性(脊柱、腸腰筋、大臀筋、ハムストリングス)、筋力評価(脊柱起立筋、腸腰筋、大臀筋、大腿四頭筋、)、バランス評価(片脚バランステスト、3m timed up and goテスト、歩行能力)を行う。
骨粗鬆症による骨折予防のための運動療法実際として、可動域・柔軟性(脊柱・腸腰筋・大臀筋・ハムストリングの可動域・柔軟性確保)、筋力増強(脊柱起立筋、腸腰筋、大臀筋、大腿四頭筋)、バランス練習(荷重練習、片脚バランス練習、片脚バランススクワット)、有酸素運動(1回30分、週5〜6日、Borgスケール11〜13)を行う。
運動療法は転倒予防に有効であるとするエビデンスは報告されているが、骨折予防に関するエビデンスは少ない。個々に合わせた運動負荷や回数設定により、骨折予防は期待されている。
※詳しい評価方法や運動方法は文献中に記載されています。
可動域・柔軟性、筋力、バランスの評価や運動療法の実際がすごく分かりやすく記載されている文献と感じました。図を見るだけでも理解しやすく、臨床に活かせる内容と思います。
臨床で骨粗鬆症患者の骨折は良く遭遇すると思います。骨折予防や再骨折を予防するために知っておきたい内容となっていると思います。是非参考に読んでみてください。
記事:琢麻