「足」の機能変化と身体運動

(20211119配信)

「足」の機能変化と身体運動

木下 和昭 

理学療法ジャーナル Vol.55 No.6 2021.6 p689-693


【文献の要点】


・足圧中心(center of pressure: COP)の位置により、全身アライメントが変化する。


・足部の形状変化、COPの変位により歩行や動作に代償動作を認めるが、対象者により運動パターンが異なるため、局所から全身の評価が必要。


・全身の運動パターンの評価が重要であり、足部、足底の状態から対象者の特徴がみえる。


・形状の変化はアライメントに影響し、筋活動にも関係する。



【文献の基本構造】


形状変化とアライメント

→形状変化、COPの変化による骨盤アライメントへの影響を図から説明。


形状変化と歩行、運動パターン

→形状変化、COPの変化における歩行、スクワット動作にみられる運動パターンを説明。


形状変化と筋力

→偏平足を有する症例の80%に後脛骨筋の機能低下を有する⁉



【著者の伝えたいこと】


・COPの位置が全身アライメントに影響し、全ての対象者に対し考える必要がある。


・局所から全身の運動パターンの評価が必要である。特に足底の状態は対象者の特徴を知るヒントとなる。


・形状変化が筋活動の低下を引き起こすが、アーチサポートなどの対処方法によって筋活動が増大してしまう場合もある。アライメントの構造的な評価に加え、複合的な評価が必要。



【文献を読んでみて思う事…】


・足部の形状、COPの変化が筋力、全身アライメント、そして歩行と影響している。直立二足歩行での唯一の接地点である足部が全身に与える影響は大きいことが分かる。


・著者が述べているように足部、足底を観察すると様々な変形や部分的な皮膚の肥厚などがみられることが多い。年齢や性別、職業、生活環境、癖など対象者を知る、そして、動作改善やアプローチへと繋げるヒントとなり得る。


・運動連鎖の概念から対象者により運動パターンは異なることを念頭に置き、予測される運動が実際に起きているのか、別の要因は考えられないかと、常に疑問を持ち、予測をし評価にあたりたいと感じた。



【まとめ】


・本稿では各章において局所から幅広く評価すること、複合的に評価すること、全身的な評価をすることと評価の重要性について述べている。学生はもとより、自分を含め若手療法士は特に症状や異常が起きている箇所のみ、部分的な評価のみとなっていないだろうか。足部の形状と身体運動との関係性を学ぶとともに、自身の日々の評価を見直していきたい。




記事:ながちゃん





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