足関節・足部周辺の外傷・障害に対する理学療法診断の進め方
小林匠
Journal of Physical Therapy Vol.38 No.3 2021.3 P205-213
【アブストラクト】
1足関節・足部のアライメント評価
2距骨下関節、距腿関節、ショパール関節、リスフラン関節の可動性
3足関節・足部の筋力の評価(特に下腿三頭筋が重要)
4足関節・足部の不安定性に対する評価
5静的・動的バランスの評価
6足関節・足部周囲外傷の予後予測と交換判定
【基本構造】
理学療法診断とは「疾病の同定ではなく、様々な関連因子や予後を予測し、理学療法による効果を判断するプロセス」と定期されている。足関節障害に対し、理学療法診断に必要な、可動性、筋力、静的・動的バランス評価が記載され、その後に予後予測と効果判定が記載されている流れとなっている。
分類としてSahrmannによる足関節・足部の運動機能障害分類、評価としてarch height index、foot posture index-6 item version、plantar flex break testの段階づけ、balance error scoring system、Y-balance testが記載。
【著者の言いたいことをまとめてみる】
現在は足関節・足部周囲の外傷・障害に対する運動機能障害の分類や予後予測に必要な臨床予測ルールが少ない。そのため妥当性と信頼性のある評価を行なっていく必要があると考えられている。
【面白く感じた点と自分の意見】
足部に対する評価の流れがわかりやすい文献だと思います。足部の疾患に対し信頼性のある評価が紹介されているため、臨床で取り入れやすいのではないかと思います。特に足部足関節周囲の外傷・障害に対し信頼性の高い静的・動的バランス評価は覚えていた方がいいと思います。
【結語】
足関節・足部周辺の外傷に対する大まかな評価方法が記載されている。また、妥当性・信頼性の高い評価が記載されている。足関節および足部の患者でバランステストをどうしようか悩んでいる方に参考になる文献だと思います。
記事:琢麻