慢性疼痛診療におけるアクセプタンス&コミットメント・セラピーの実際

(220114配信)

慢性疼痛診療におけるアクセプタンス&コミットメント・セラピーの実際

酒井美枝

総合リハビリテーション Vol.49 No.10 2021.10 pp959-964



Key word:認知行動療法,アクセプタンス&コミットメント・セラピー



★今回の記事はこんな方にオススメ!

・慢性疼痛の診療にヒントを得たい方

・アクセプタンス&コミットメント・セラピーについて興味のある方


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こんにちは!定期的に大食いをしたくなる‘テツ’です!

今回は慢性疼痛の診療に関して、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(以下、ACT)に焦点を当てた記事を紹介します。


慢性疼痛の治療と言えば、薬物療法や神経ブロック、リハビリテーション、心理的アプローチなどが重要とされています。今回紹介するACTは認知行動療法などを含む心理的アプローチの1つです。



【ACTとは?】


ACTは人間の行動に焦点を当てて、その法則を解明しようとする「行動科学」的アプローチの1つです。


行動科学という聞き慣れない言葉かもしれませんが、例えば「歩く」という行動を、何の目的(記事内では機能と表現される)で行うのか考えることが行動科学的な考え方になります。これが治療の方向性の設定に役立つと考えられています。



【ACTの治療プロセス】


疼痛の治療に対して、対症療法的な行動(痛みを軽くするために運動する、など)がしばしば行われていると思います。

ただしこれが有用でない場合には、そのアプローチを疑う必要があります。


ACTでは、そういった今まで取り組んできたことが実際には問題の一部になっている、という視点を投げかけ新しい戦略を試すような考え方(創造的絶望)を促進しています。


つまり、痛みに対しての行動を起こすのでなく、「痛みと付き合いながら、変化を楽しむ生活や落ち着いた生活を送るなどの姿勢の沿って生きる」という考え方や姿勢を推しているということになります。



【Impressions】


今回紹介したACTは「ADL・QOLの向上」を目指した考え方と言えます。

痛みに固執してしまうと「痛みがあるからまだ〇〇できない」・「また痛くなるのが不安」と考えやすいところから、固執しない考え方にしていく視点の必要性を知りました。


セラピストは疼痛を持つ患者さんと挨拶を交わす際に「今日は痛みどうですか?」とついつい聞いてしまうことも多いでしょう。

ACTの考え方であれば「今週はどんなことをされましたか?」などと問いかけから変えてみるのも1つの戦略であると思いました。


慢性疼痛で悩まれている場合には、今後の診療で凝り固まった考えに疑いを持ち・戦略を練り直したいですね。

ACTが気になった方、詳しい治療プロセスについて知りたいは是非本誌をご参照ください!



●明日からできること!

・患者・利用者のADL・QOLが痛みで阻害されていないか改めて確認する。

・痛みが慢性化している場合には治療戦略を練り直してみる。



文責:テツ@永遠の若手理学療法士


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