足内在筋のはたらきと姿勢との関係
大竹 祐子
理学療法ジャーナル Vol.55 No.6 2021.6 p672-677
・足趾は立位バランスに重要な役割を持ち、機能不全は転倒リスクなど日常生活へ影響する。
・足内在筋は前方への重心移動時のバランスに関与する。
・足趾のポジションの違いで関与するバランス能力は異なる。
・足内在筋は他の部位同様に加齢とともに低下する。
・高齢者は足趾以外でバランスを保持している。
足内在筋と足趾
→立位や歩行における足趾の役割を説明。足趾機能の低下により転倒リスク増加。
足内在筋は前方へのバランス保持に活躍する!
→足圧の変化から体重を前方へ移動することで足内在筋が優位にはたらくことを説明。
足趾のポジションによるバランス能力の違い
→足趾屈曲角度の大きさは動的バランス、IP関節伸展位での足趾屈曲運動の円滑性は静的バランスに関与する。
若者と高齢者の違い
→加齢により足趾屈曲筋力は低下し足趾以外でバランスを保持するようになる。
バレエと足趾
→バレエ特有の足趾の運動からみえるバランス能力との関係を説明。
・足内在筋は前方へのバランス保持に特に関与。また動作時の足趾のポジションが重要。
・まずは上半身や体幹での姿勢コントロールが重要であり、足趾はその次。
・高齢者と若年者ではバランス保持の戦略が異なる。高齢者は足趾以外でバランスを保持。
・実際に高齢者は足趾や前足部の可動性、柔軟性の低下がみられ、バランス能力低下の要因の一つとなっていることは予測できた。しかし、より高度なバランスに関与するため、
まずは上体、体幹機能が重要であり、全身を診ること、視線が足部に偏らないことが必要と感じた。
・靴が足趾の運動を阻害している場合もある。病院や施設などへ入院、入所している方は靴での生活が中心となるため、靴を含めた足趾の評価が必要であると考える。
・足趾の評価、またバランス評価として活用できる内容である。本稿でも述べているように上半身や体幹での姿勢コントロールを念頭に、足趾を評価する視点を持ってほしい。
記事:ながちゃん