見て学ぶ脳卒中診察手技 5 下肢機能障害・歩行
川上途行
JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION
第30巻・第6号(通巻355号)・2021年6月号・P563-569
脳卒中後遺症者のリハビリテーションにおいて必要不可欠となる歩行評価について記載されている。
本稿では運動麻痺に評価として
Brunstrome Stage(BRS)
FugiーMeyer Assessment(FMA)
Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)
を下肢の痙縮としてModified Tardieu Scale(MTS)、歩行機能の評価としてGait Assessment Intervention Tool(G.A.I.T.)について評価の概要、注意すべき点、所見のまとめについて書かれている。
下肢の痙縮に一般的に使用されている評価法はModified Ashworth Scale(MAS)であるが、評価される抵抗は、神経性要素と筋組織、軟部組織の変性の要素が混在しているという面もあり、本項では(MTS)について書かれており、今後臨床でも普及していくかもしれない。
また歩行機能の評価は観察による定性的な評価が行われているがここでは歩容を多項目に評価できるG.A.I.T.が挙げられている。
歩行については多様な生活様式、経験により複合的な評価が必要となり、臨床でも様々な評価方が使用されている。今回は脳卒中に焦点を置き、評価法について記載されている、新人療法士や運動麻痺に対する評価で悩んでいる方には一度目を通して頂きたい。
記事:RYU