脳幹の基本的な機能解剖

(20200826配信)

脳幹の基本的な機能解剖

内山 靖

理学療法ジャーナル Vol.54 No.4 April.2020 P372-378

●内容のまとめ

中脳,橋,延髄といった脳幹部分の基本的な機能解剖について書かれている. 主な神経核と伝導路、主な機能システムについてまとめられているため脳幹の再復習ができる.

●脳幹のポイント

1.脳神経,神経核,上行・下行路が密集しており僅かな病巣の違いで症状や回復過程が大きく 変わる

2.脳幹の病巣では,覚醒・随意どう動・筋トーヌス,感覚,姿勢,歩行,自律神経,眼球運動など 様々な症状が動作や活動に影響を与える

3.効果的なリハビリを行うには,対象者の症状,状態を観察,評価し病巣による脳の局在機能と システムの双方への影響を解釈した臨床推論を進める必要がある

●主な神経核と伝導路

・下オリーブ核:小脳の働きを安定化.

・黒核:中脳に位置している. ・赤核:筋トーヌスや無意識化での運動制御に関係. ・青斑核:覚醒,注意,情動,記憶の保持に関係. ・小脳脚:上中下の3対からなる.それぞれ違う働きをする.

・錐体路 ・内側毛帯:深部感覚が脊髄後索から二次ニューロンとして上行する伝導路.

●主な機能システム ・覚醒 ・随意運動・筋トーヌス ・感覚

・姿勢,歩行 ・自律神経 ・眼球運動

『まとめと感想』 解剖学に載っている様なわかりやすい簡略的な絵の図で理解が容易であった.その為,脳幹 の機能解剖の再復習とさらに理解を深めることができた.脳幹という小さな場所に,末梢神経 である脳神経に加え,神経核と上行・下行路が狭い範囲で密集しており,症状や予後に大きく 影響を与えることが分かった.加えて,特徴的な症状の組み合わせによっては病巣の憶測も観 察・評価によって行うことが可能であり,その解釈による臨床推論を統合することが重要か つ私自身の理学療法の課題であると感じた. さらに解剖学的な説明だけでなく、覚醒の機能システム低下の場合は一見した意識低下が 見られなくとも,注意の配分や持続困難な場合もあるなどの理学療法を行うにあたっての著者のコメントも記載している.臨床と併せて推察しやすくなっているのもポイントで,ぜひ 脳幹という複雑な場所を再復習するにはこの7ページに目を通してもらいたい.

記事:ももこ

セラレビ無料メルマガに登録いただければ

・先輩のまとめたジャーナルレビューをメールでお届けします
・週1〜2回(毎週日曜日、金曜日にお届けします)

是非、無料で勉強できる環境を整えてください

メルマガの詳細