動作分析に必要な知識と技術
畠中 泰彦
理学療法ジャーナルVol.56 No.5 2022.5 p508-513
・開始肢位と最終肢位の記述は必須であり、動作ごとに相分けを行い、決めた手順に沿って観察する。
・動作の模倣は筋活動など、理解を深めるためにも最適である。
・動作観察から介入の効果を検討、推論を証明する。
まずは動作を観察する際のポイントを挙げている。開始肢位や終了肢位、また動作の転換や支持基底面が変化する時点も重要なポイントである。
初心者に推奨する方法に加え、観察する上での注意点を解説している。次に、歩行について、正常メカニズムから疾患の特性や代償、推論の証明をどのように考えるかを解説している。
動作観察、分析はセラピスト、理学療法士として、リハビリテーションの実施、アプローチを決定する上でも必要不可欠な評価であり、能力である。しかし、学生時代から若手セラピストが苦労するところではないだろうか。
苦労する理由として、知識が未熟であることもあると思うが、見るポイントが分からない、はじめから全体を見ようとする、逆に一部しか見ていないことなども考えられる。
苦手を克服するためには、動作観察、分析の経験を重ねることが必要であるが、その中で、本稿に述べられている観察や分析のポイント、注意点を参考にすることで自分自身も整理しやすく行えるのではないかと考える。
さらに、正常なメカニズム、動作、疾患の特徴などの理解し、より質の高い動作観察、分析から、質の高いリハビリテーションの提供に繋げていきたい。
記事:ながちゃん