Long COVIDとは何か?
大平 雅之 髙尾 昌樹
理学療法ジャーナルVol.57 No.5 2023.5 p570-575
・米国の調査ではCOVID-19感染者の約2割がLong COVIDの症状を有するとされている。
・筋力低下や歩行障害などの症状がみられることもあり、治療法の選択肢としてリハビリテーションが挙がることもある。
・現時点でLong COVIDの予後をはっきり断定はできないが、改善する可能性は高い。
・確立された治療法はなく、個々の症状に合わせた対症療法が中心である。
はじめにCOVID-19におけるこれまでの感染状況やLong COVIDの定義などを説明している。Long COVIDについて、疫学、診断、症状、治療法といった概要を、筆者が対応する臨床での状況、経験を踏まえて解説している。
症状は全臓器、全身にわたって報告されている。
ここでは、理学療法士などセラピストが関わる可能性が高いものを挙げ、解説している。
倦怠感
頭痛や四肢の痺れ、筋力低下
不眠、不安
機能性神経障害類似の症状
症状は1つとは限らず、複数の症状を訴えることが多い。COVID-19感染し1年後も半数以上で症状が残存するといった報告もあるが、筆者は全体的にゆっくりではあるが改善の方向に進む印象であると述べている。
臨床現場においても、COVID-19罹患後、既往を有する対象者を担当する機会が増えているのではないだろうか。また、全身にわたり様々な症状が報告されているが、病院や施設においてはCOVID-19感染後の長期隔離による身体機能、ADLの低下が問題となっているケースが多い印象を受ける。
COVID-19について正しい知識を持ち、理解をすることで、感染時や隔離中においても適切な介入、身体機能低下の予防が図れると感じる。
記事:ながちゃん