脳卒中における予後予測と目標設定の重要性

(230901配信)

脳卒中における予後予測と目標設定の重要性

野添 匡史

理学療法ジャーナルVol.57 No.6

2023.6 p636-641



【文献の要点】


・予後予測、目標設定に影響を与える4つの因子を理解する。

・急性期病棟から一般病棟、回復期病棟などと転棟、転院するケースも多いため、シームレスなケアを行うためにも、高い連携機能が重要となる。

・「予後予測を超える改善」を目指し、そのためにも予後不良因子の把握は重要となる。



【文献の基本構造】


 対象者に理学療法を提供する際に、予後予測、目標設定はどんな場面、現場においても必要となる。本稿では脳卒中における予後予測と目標設定について、予後の特徴から予後に影響する因子、重症度による目標設定の考え方などについて解説している。



【予後予測と目標設定】


予後予測と目標設定に影響を与える因子とは

〇脳は様々な機能を有していること

 様々な機能を有しているため複数の神経症状、症状も複雑となる場合も多い。


〇高齢

 脳卒中は加齢に伴い発生率も高くなる。高齢となると高齢者特有の老年症候群を有することも多くなり、症状の複雑化、予後不良の要因となり得る。


〇長期の入院

 精神疾患や神経疾患に次いで長期の入院となるケースが多い特徴がある。介護者や環境が変わることも多いため、多職種での連携がより重要となる。


〇治療技術の進歩

 重症例でも治療技術の進歩に伴い自宅復帰などに繋がるケースが増えている。予後予測、目標設定する上でも治療方法の理解は必要と考える。



【まとめ】


 脳卒中は重症度も軽度から重度、症状も様々で多岐にわたり、そのため、理学療法を提供する上での予後予測、目標設定も難しい疾患ではないかと思う。


本稿では、予後予測、目標設定に影響を与える因子、重症度による目標設定の考え方を解説している。


また、予後に影響する因子を理解することは、その因子に対応ができ、筆者の言う「予後予測を超える改善」に繋げていくために必要不可欠は要素である。



記事:ながちゃん



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