周術期リハビリテーション医療の意義と体制
千田益生、堅山佳美、伊勢真人、池田吉宏
総合リハビリテーション・第48巻5号・2020年5月・P409-415
・はじめに
周術期リハビリテーションとは術前後のリハビリの事を言い、リスクの軽減や機能改善につながる。
岡山大学病院では、周術期管理センター(Perioperative management center;PERIO)が中心となり他職種が関わるシステムを採用している。
PERIOとは、手術が決まった患者に対して外来時点から他職種で医療介入を行うシステムである。他職種とは、医師、麻酔科医、PERIOナース、薬剤師、歯科医、歯科衛生士、歯科技工士、管理栄養士、臨床工学技士、リハビリテーション科医、理学療法士などがある。中でも歯科医は、口腔内障害や、感染症などの予防を行う。
・PERIOの効果
肺癌:受壺歩行開始日が短縮し、術後合併症や長期入院の現象が見られている。
食道癌:立位開始日、ICU入室期間の短縮、呼吸機能の短縮を認め、口腔粘膜衛生管理
においては、口腔内の炎症なども減少している。
脳外科PERIO:入院から手術までの期間が優位に減少していた。
・周術期リハビリテーション医療の意義と体制
周術期リハビリテーション医療の意義とは、手術の円滑化、早期社会復帰につなげていく事である。そのためには、術前からの介入が極めて重要であり、術前介入は、早期復帰だけでは無く合併症の予防や、術後の成績悪化を防ぐためにも重要である。術前介入には、患者への指導も重要である。
周術期リハビリテーション医療の体制という事を考える場合、病院全体が関与している体制と考え、病院全体として動く事が必要である。
術前からの管理について述べている内容であった。
今回、大学病院での実例を取り上げて報告しているが、入院可能な医療機関はこのような制度を取り入れ、患者様1人1人にチームでサポートする体制は必要であると考える。
しかし、現状ではマンパワー不足によりサポートを徹底する事が難しい医療機関もあるため、この現状を打破していく必要があると考える。
作成者:クボちゃん