誤嚥性肺炎

(220306配信)

誤嚥性肺炎

岡崎達馬・出江紳一

総合リハビリテーション Vol.49 No.11 2021.11 pp1053-1054


Key word:誤嚥性肺炎,咳反射,嚥下反射,リハビリテーション,サルコペニア



今回の記事はこんな方にオススメ!

・誤嚥性肺炎にかかわる全ての方

・誤嚥性肺炎に関する知識を再確認・インプットをしたい方



こんにちは!マスクで肌荒れが止まらない‘テツ’です!

今回は誤嚥性肺炎についての記事を紹介します。


誤嚥性肺炎は医療従事者が最も関わることの多い疾患の1つではないでしょうか。そのために誤嚥性肺炎について学習をした方も多いかと思います。今回は知識のインプットだけでなく再確認を含めて見ていきましょう。


【誤嚥性肺炎とは】

誤嚥性肺炎は超高齢社会となった日本における死因の3位に入る疾患です。入院中の肺炎症例においては70歳台で70%、80歳台で85%と報告されていることからも、特に多い疾患であることが分かります。 

治療としては抗菌薬や絶食などの一般的な治療に加えて、再発予防が重要になってくるのはイメージが付きやすいですね。


【危険因子・評価】

誤嚥性肺炎は嚥下障害や咳嗽力の低下を伴う病態が危険因子となり、脳血管障害、神経筋疾患、意識障害や認知症、気道切開による経管栄養などが挙げられます。


皆さんは誤嚥性肺炎患者を担当に持った際、どんなことを評価するでしょうか?

やはり、誤嚥の再発予防を目指すために嚥下機能評価(水飲みテスト、反復唾液嚥下試験など)や咳嗽反射の有無・咳嗽力の評価などが主として行われる内容であるかと思います。


見落としがちなのが口腔内の衛生環境で、口腔内の汚れや歯垢の清掃状態なども観察したいポイントところです。


【リハビリテーション】

誤嚥性肺炎を発症した患者に対する介入について紹介します。

急性期においては排痰の必要があるため、体位ドレナージや咳嗽練習などの呼吸訓練に加え、離床訓練などを実施する。


嚥下機能に対する介入については摂食を伴う「直接訓練」と、そうでない「間接訓練」があります。前者は窒息のリスクを伴うため、危険な場合には後者が選ばれることも多いです。間接訓練にはアイスマッサージ、嚥下体操、頭部挙上訓練、舌抵抗運動、ブローイングなどがあります。



【サルコペニアと嚥下障害】

ここ数年でテレビなどでもサルコペニアという言葉よく耳にします。サルコペニアは加齢に伴う筋力・筋肉量の減少、身体能力の低下を指しており、近年ではこのサルコペニアによる嚥下・咀嚼能力低下の報告がされています。

現在、サルコペニアによる嚥下障害に対する治療法が検討されている段階で、エビデンスは確立していません。誤嚥性肺炎は咳嗽力の低下によっても生じるため、全身の筋力が低下するサルコペニアでは咳嗽に必要な筋力の低下も影響していることも考えられます。



【Impressions】

誤嚥性肺炎は様々な要因によって生じる疾患であることを確認しました。今回の記事で紹介したサルコペニアによる嚥下障害については今後の研究報告が気になる内容です。

人生100年時代と言われる日本ですが、これから更に高齢者が増える中でサルコペニアによる嚥下障害を含めた何らかの機能障害が課題となり得ることは容易に想像できます。現時点から我々セラピストができることは何かを考えながら、最新の情報を得られるようにアンテナを張り続けておきたいところです。



明日からできること!

・誤嚥性肺炎に対する最新の治療内容についてアンテナを張っておく

・従来の誤嚥性肺炎に対する治療法も徹底する



文責:テツ@永遠の若手理学療法士



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