中脳大脳脚出血

(20200915配信)

中脳大脳脚出血

上野信吾

理学療法ジャーナル Vol.54 No.4 April.2020 P379-386

中脳大脳脚とは・・・ 大脳脚(皮質橋路、皮質脊髄路) 狭義 大脳脚(狭義)と中脳被蓋 広義

●内容のまとめ

1,はじめに

この文献では,視床出血によって中脳大脳脚にまで達した症例をもとに,脳画像から考えられ る病態予測と理学療法評価,アプローチについて報告している.

〔予後予測〕 視床出血が中脳に達する症例→介助生活者から寝たきりが多い. 視床に限局もしくは,内包に及んだ症例→上記の割合が少ない.

1.脳画像から見える損傷部位と理学療法士として考えられる事象

症例CT画像をもとに,脳解剖学と照らし合わせながら,障害の起こりうる可能性の考察が述 べられている.

★POINT 運動失調の発生機序は,皮質橋路を介する大脳から小脳への経路と報告されている. →同経路は認知ループの一部でもあり「小脳認知情動症候群」が症例報告されている!

2.実際の現象および評価結果

1で考察された障害をもとにした評価結果が記載されている.

3.考えられる将来的な可能性とアプローチ

皮質橋小脳路の損傷による小脳性認知情動症候群が考えられた. →遂行機能障害,空間認知障害,言語障害,人格障害より注意力低下や課題の難易度を考慮し て,上下肢に低周波を併用した促通反復療法,課題指向型の基本動作練習を中心に実施.

4.経過

本症例のMRI画像の変化と,3で述べられたアプローチを行ったことによるADLの変化が記 載されている.

『まとめと感想』 簡潔にまとめると,「視床出血の周辺への拡大部位を知ることで予後予測が可能となる.」 という事である. 題名である中脳大脳脚出血にピンと来ずであったが,視床出血から出血が進展することで 起こる症例であり,本著と解剖学を見比べながら読むことで理解することができた.出血だけ でなく,二次性の浮腫の影響なども踏まえて画像を確認できるようになり,評価を進めていく 必要があることを学んだ.

記事:ももこ