水頭症
高屋成利
理学療法ジャーナル Vol.54 No.5 MAY.2020 P489-491
●内容のまとめ
症例情報:パーキンソン病患者、歩行速度低下、不安定歩行、転倒による頸部骨折、
術後(BHA)は良好、小刻み歩行、Wide-Base
1.画像解説
:障害部位、評価結果と障害部位のすり合わせが行われている。
画像診断から、側脳室の拡大、脳梁角の鋭角化、脳溝の拡大が認められ、特発性正常圧水頭症の特徴的な初見がある。
MMSEは22点であるが、海馬の萎縮はなくアルツハイマーに伴う認知機能の低下は低いと考えられる。
2.水頭症とは
:交通性、非交通性について分かりやすくまとめてある。
水頭症は、脳脊髄液が溜まり、脳室の拡大により起こる。腫瘍などが原因でなるものは、非交通性、今回は腫瘍はない為、交通性。
二次的に起こるものを後発性と言い、先行疾患や、原因が特定できないもの、高齢者起こるものを特発性という。
非交通性は、脳圧の上昇、頭痛、嘔吐、意識障害などが起こり、急性増悪する。
正常圧は認知機能の低下、歩行障害、尿失禁が緩徐に進行する。
今回の症例は、先行疾患は無く歩行障害が徐々に進行している為、特発性であり、店頭はこれによるものと考えられる。
3.臨床症状・評価結果
:Opeからリハビリまでの流れについてまとめてある。
今回の症例はシャント適応であった。
骨折後のリハビリを3ヶ月行い、転院しLPシャント(腰部クモ膜下腔腹腔短絡術)実施。
その後、再度入院し3ヶ月リハビリ実施し、認知機能改善見られた。
退院後は、有料老人ホームで、ADLは自立している。
画像初見や理学療法評価結果から得た情報の整理と、疾患の基礎知識についてわかりやすくまとめてあり、実際の臨床での着眼点が分かる内容であった。
是非、新人職員には一度読んでおいて欲しい内容である。
このような症例検討から、日々の業務でのAssessmentを深く行えるセラピストが増えて欲しいと願う。
作成者:クボちゃん