Long COVIDに対する回復期理学療法の実際
松尾 知洋 森本 陽介
理学療法ジャーナルVol.57 No.5
2023.5 p576-579
・Long COVID患者に対し安全に理学療法を行うための4項目に注意する
・Long COVIDの症例の多くがADLの低下を呈する
・Long COVIDを適切に理解し、栄養面や環境調整など様々な点からアプローチを行う
回復期リハビリテーション病院におけるLong COVIDの特徴や理学療法評価、アプローチについて、筆者の経験を中心に解説、紹介されている。
〇理学療法を行うためのキーメッセージ
1)労作後の症状の悪化
2)心臓の障害
3)労作性SpO2の低下
4)自律神経失調症と起立性低血圧
これら4項目については欠かさず評価を行う
〇栄養管理とともに
筆者が咳嗽によるカロリー消費が身体機能改善の阻害因子と考え、高カロリー食へ変更し、身体機能向上に繋がった事例などを紹介している。運動効果を上げるためにも、栄養状況、食事状況の確認も重要となる。
〇退院後の生活への支援
回復期病院では退院前の家屋調査、訪問など在宅復帰に向けた支援は充実している。退院後の生活指導や運動指導などから、安全な自宅生活を支援していく。
新型コロナウイルス感染症における様々な制限などが解除、緩和され、普段生活する上でもそれほど気にすることがなくなってきている印象である。
しかし、コロナ感染者はゼロになることはなく、再拡大、第〇派と影響は続いているのが現状である。感染者数の増加に伴い、リハビリテーション分野においても関わることは多くなっていると思われるが、リハビリテーション、理学療法の介入において有効性を示すエビデンスは少ない。
LongCOVIDの特徴や症状、リスク管理などについて適切な知識を持ち理解し、Long COVIDにとらわれ過ぎず、対象者個々への対応を行うことが重要であると考える。
記事:ながちゃん