新型コロナウイルス感染症

(220320配信)

新型コロナウイルス感染症

藤谷順子

総合リハビリテーション Vol.49 No.11 2021.11 pp1073-1077


Key word:新型コロナウイルス,COVID-19,腹臥位療法,Long COVID



今回の記事はこんな方にオススメ!


・COVID-19に対するリハビリテーションに関わる方

・入院・在宅でリハビリに携わる方



こんにちは!風邪知らずの‘テツ’です!

今回はCOVID-19のリハビリテーションに関する記事を紹介します。


COVID-19といえば、肺炎を主として全身の様々な症状を来すことで知られています。ここではCOVID-19の病態・症状と急性期リハビリテーションについてまとめていきます。



【病態と呼吸器症状】


COVID-19では肺胞上皮のウイルス感染によって肺炎が生じます。感染が徐々に広がるため、同一個体の同一肺葉内において滲出期~線維化期まで様々な病変が同時に存在することが特徴的とされています。


初期症状は発熱・咳・息切れなどで80%程度は軽症のまま治癒しますが、一部は酸素投与や集中治療が必要となる症例がいます。CTではすりガラス陰影や、コンソリデーションの割合増加、索状影の混在などが典型的な所見として認められます。


COVID-19の重症度分類があり、とりわけ重症肺炎についてはL型(肺は柔らかく、換気量が増加)とH型(肺水腫で、ECMOの導入を検討)に分類されています。



【リハビリテーションについて】


COVID-19症例に対するリハビリについては日本集中治療学会より「ICUにおけるCOVID-19患者に対するリハビリテーション医療Q&A」が出されていますので、介入の際には是非確認したいところです。一般的に集中治療室(ICU)におけるリハビリについては人工呼吸器離脱支援と集中治療後症候群(PICS)予防のための介入が必要です。


 次にキーワードにある腹臥位療法について触れていきます。


腹臥位療法については、「高流量鼻カニューレ酸素療法を受けている患者に対する覚醒時の腹臥位療法が挿管リスクを減らす」といったRCTが報告されており、注目されている治療法になります。


 COVID-19で特徴的なのが一部の症例で低酸素を自覚しない(Silent hypoxaemia)状態を生じることがあることと軽労作で低酸素や頻脈が顕著な症例があることです。こういった状態には神経系への障害や、心筋障害や不整脈の関与の可能性、自律神経系障害によることが示唆されています。


 症状が多岐に渡るため、リハビリ中はモニターでの心拍数や酸素飽和度の確認が必要で、そのことを患者にも指導することが重要となります。



【Post COVID-19】


 COVID-19症例では長期に後遺症が残ることも知られています。後遺症についての研究はこれからの段階ですが、Post COVID-19ではリハビリの重要性が指摘されています。


流行期の入院中にリハビリを受けず退院した症例が多いため、適切な運動指導を受けていない症例があることが推測されます。呼吸機能低下や運動耐容能低下、易疲労性などの後遺症が残った場合には、社会参加やスポーツ復帰に支障を来す可能性も考えられています。


そういった症例に対するリハビリテーションの必要性は高く、多くの関係者の参画が期待される部分である。 



【Impressions】


今回はここ数年話題のCOVID-19について触れました。メディアでは感染者数や重症者数が多く取り上げられますが、我々医療従事者にとっては後遺症に悩む症例に対する介入も求められます。


変異株などで症状も異なってきていますが、最新の情報を確認しながら求められるリハビリテーションの提供を進めていきたいですね。




●明日からできること!

・最新情報(COVID-19診療の手引き、ICUにおけるCOVID-19患者に対するリハビリテーション医療Q&A)を適宜確認する。



記事:テツ@永遠の若手理学療法士





セラレビ無料メルマガに登録いただければ

・先輩のまとめたジャーナルレビューをメールでお届けします
・週1〜2回(毎週日曜日、金曜日にお届けします)

是非、無料で勉強できる環境を整えてください

メルマガの詳細