【文献の要点】
・足底へのパッドやテープの僅かな感覚刺激により身体は大きく変化する。
・足部の矯正は中間位へ修正するのではなく、身体が流動的に動ける足部を作ることである。
・構造破綻と機能破綻の関係から、足部疾患をみることで原因を捉えやすくなる。
・DIP関節が屈曲すると足の機能を十分に発揮できない。趾の腹で床を捉えることが基本。
・足趾の機能で重要なのはフィードフォワード機能。
【文献の基本構造】
足の役割
→センサーの役割を説明。また足底では物理的にあり得ないことが起こっている⁉
矯正=ニュートラル?
→矯正とはニュートラルな位置にすることなのか?
構造破綻と機能破綻
→構造破綻の区別、また多くの足部疾患は構造破綻と機能破綻の関係の重要性を説明。
足部疾患が生じる原因
→足底筋膜炎とアキレス腱炎が生じる3つのタイプを説明。
足趾について
→足趾の変形、また足趾の役割を説明。
【著者の伝えたいこと】
・足底の僅かな厚みで身体に変化がでることは物理的にあり得ないが、足底からの刺激は常に感覚導入され、感覚刺激により変化をもたらしている。
・矯正=ニュートラルではなく、流動的な動きに誘導できる足部を考え、評価することが重要。
・足底筋膜炎とアキレス腱炎は3つのタイプから考えると捉えやすい。
・足趾の腹で床を捉え、体重を前方に乗せるフィードフォワード機能が重要。
【文献を読んでみて思う事…】
・足底への数ミリという僅かな刺激で身体へ大きな変化がもたらされることは、実際にインソール作製に関わった経験から実感するところである。またそこには物理的にはあり得ないことが起こっていると推測されており非常に興味深い。
・矯正や修正はニュートラルな位置へという考えに偏っていないだろうか。足部に限ったことではないが、セラピストとして「足」をみるが、「人」をみているということを忘れてはいけないと感じた。
【まとめ】
・足部疾患が生じる原因を3つのタイプから説明しており臨床へ繋げやすい。
・センサー機能から構造破綻の区別、足部疾患の原因の捉え方、そして足趾の機能まで、足部の重要なポイントを網羅した内容となっている。
記事:ながちゃん