通所リハビリテーション 

(220918配信)

入門講座:通所リハビリテーション

近藤国嗣

総合リハビリテーション Vol.49 No.9 2021.9 pp871-880


Key word:生活期、通所リハビリテーション、リハビリテーションマネジメント



★今回の記事はこんな方にオススメ!


・通所リハビリテーションについての基礎知識を知りたい方



介護保険分野のリハビリテーションに関する内容として、通所リハにフォーカスを当てた記事を紹介します。


通所リハといえばデイケアを連想される方が多いと思いますが、そもそも通所リハとはどういった特徴のシステムなのでしょうか。掻い摘んで見ていきましょう。



【通所リハとは】


通所リハは医療機関に相応する施設にて、介護保険サービスとしてリハビリを提供する事業のことを指しています。


サービス提供時間は1時間~8時間の間で区分されており、それぞれの目的(医学的管理、介護者支援、機能維持)に合わせて利用する施設を検討することも可能となっています。



【通所リハの報酬】


質の向上のために報酬体系は徐々に変わっています。過去、目標が明確でないリハビリが漫然と実施されてきた背景を受け、現在ではBIやFIM、FAIの定期的評価やリハビリテーション計画書などが導入されました。同時に、通所リハ卒業を推進する“移行支援加算”や、生活行為の改善を図るための“生活行為向上リハビリテーション実施加算“というのも新設されています。



●リハビリテーションマネジメント加算


利用者にかかわるすべての職種が情報共有を図ることは必要であるのは言うまでもありませんが、それぞれが行うべき役割・内容をリハビリテーション会議にて決定しています。この会議は繰り返して行うことで、成果を評価・確認し内容を見直し続けることが重要であるとされています。


当加算は算定要件ごとにⅠ~Ⅳの4区分に分かれています。



●入浴介助加算


脳卒中患者において、最も難易度の高い動作は階段昇降、次いで清拭、浴槽移乗と報告されており入浴が自立していない利用者は少なくない現状があります。


当加算では、そういった方が入浴できることを目的としており、居宅の浴室環境を踏まえた入浴計画を作成、計画に基づいて居宅環境に近い状況で入浴介助を行うことなどが要件とされています。



●生活行為向上リハビリテーション実施加算


これは加齢や廃用により活動するための機能が低下した利用者に対して、機能を回復させ生活行為の充実を図る目的があります。算定には利用者の居宅に1月に1回以上訪問し、生活行為に関する評価をすることが必要とされています。



●移行支援加算


どこに移行するのか、と疑問に持たれる方も多いと思います。これは通所リハから通いの場や通所介護施設(デイサービス)への移行となります。


通所リハを修了しても機能維持・向上が得られると判断した際には、次の移行先にリハビリテーション計画書へ提供し情報共有することで、よりシームレスな移行が求められます。



【Impressions】


通所リハの特徴や算定要件を知ることで、その場でどのようなことが求められ、どんな目的で介入するかが明確になり動きやすくなると感じました。新規に介護保険サービスを提案する場合でも、それぞれの特徴・強みを知っておくと具体的な提案にも繋がると思います。


私は病院勤務の身ですが、介護保険分野で行われていることを知っておくと在宅スタッフを含めた退院時のカンファレンスなどで自身から発信したいことがスムーズに伝わると感じています。



●明日からできること!


・介護保険分野のサービスで行われている内容を知ってみる!



記事:テツ@永遠の若手理学療法士

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