治療と仕事の両立支援の概要
厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課治療と仕事の両立支援室
総合リハビリテーション Vol.49 No.8 2021.8 pp783-787
Key word:事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン、トライアングル型支援、両立支援コーディネーター、地域両立支援推進チーム
★今回の記事はこんな方にオススメ!
・治療と仕事の両立支援に悩んでいる方
・国が取り組んでいる両立支援に興味のある方
こんにちは!乾燥肌に悩む‘テツ’です!
今回はタイトルの通り、疾病を抱えた労働者の治療と仕事の両立に向けた支援に関する記事を紹介します。
仕事をしながらの治療と聞くと、がんや糖尿病をイメージされる方が多いのではないでしょうか?実際、両立支援の対象としてガイドラインでは反復・継続的な治療が必要で且つ短期で治癒しない疾病 = がん、脳卒中、肝疾患、難病、心疾患、糖尿病などの広範囲な疾患が挙げられています。
実際に糖尿病患者の中で通院治療を中断している方の多くは「仕事が忙しい」としており、さらには病気休職制度を新規に利用した労働者のうち、38%が復職しなかったという報告もあります。確かに支援が必要な状況であることが分かります。
では実際にどのような支援が行われているのか、見ていきましょう。
【両立支援の推進に向けた取り組み】
●両立支援広報事業
取り組み推進のために「治療と仕事の両立支援ナビ」というポータルサイトが開設されていいます。ここには企業などの両立支援の取り組み事例や、ガイドライン、ポスター、リーフレットを掲載されており、且つ現在もの拡充が図られています
全国でのシンポジウムやセミナーも開催されおり、企業だけでなく一般国民に対しても周知・啓発が行われています。
●地域両立支援推進チームの設置
治療と仕事の両立支援を効果的に推進するために、使用者団体の推薦者、労働組合の推薦者、医師会、保健衛生主管部局、地域の中核医療機関、産業保健総合支援センターなどで構成されるチームを各都道府県に設置し、取り組みの連携を図っています。
このチームでは両膣支援に関する相談窓口の開設や相談会の開催、パンフレットなどによる広報を行っており、今後もチームの連携強化を図ろうとしています。
●両立支援コーディネータ―養成
両立支援コーディネーターは、支援対象者に寄り添いながら継続的な相談支援を行う
ことを役割としています。支援対象者といっても、各個人で抱える症状や課題は異なります。そこで、コーディネーターがいることでそれぞれの症状や業務内容に応じた支援の実施が可能となります。
【Impressions】
リハビリテーションの現場で仕事復帰を目指す患者を経験することは少なくないと思います。治療と仕事の両立支援の取り組みを知っておくだけで、今後関わる仕事復帰後の不安を持つ方に対して情報提供が可能になることでしょう。両立支援は今後さらに拡大していく取り組みであるため、積極的に情報を集めていきたいですね。
●明日からできること!
・まずは両立支援についての情報収集!
・仕事復帰後の働き方について目を向けてみる!
記事:テツ@永遠の若手理学療法士