特集:リハビリテーション医療における新人教育
リハビリテーション医療領域におけるオンラインシステムを用いた新人教育
川上 ちひろ
総合リハビリテーション Vol.49 No.6 pp547-553
Key word:オンライン、e-learning、新人教育
コロナ禍で急速に広まったオンラインシステムを利用した新人教育に関する記事である。オンライン化することで今後期待できる教育方法について述べられており、自身が務める職場と比較しながら読んでみると興味深い点が多かった記事である。
加えて、新人教育に関する自由度について既知のシステムも含めて紹介されている。
コロナ禍を機にオンラインシステムを利用したセミナー等が広がりを見せており、家にいながら学習をすることができる。そのため、他の地域や他の分野に関する学習を行う機会が得られやすくなるなど、学習の自由度が急激に高まっている。
今回はそういったオンラインシステムを利用した新人教育に関して、記事を紹介する。この記事では現状の教育体制と今後の展開について記載しており、自身が務める職場と比較しながら読んでみると興味深い点が多かった記事である。
まずはオンラインを利用する上で知っておきたいのが「同期型」 、「非同期型」と呼ばれるものである。
同期型はいわゆるWeb会議方式が代表的なものであり、Zo〇mなどのリアルタイムでのやり取りが可能である。
非同期型は学習管理システム(LMS)が代表的であり、サーバーに教材となるファイルをアップロードし他者がそれを閲覧することで情報を共有することが可能となる。
ここで臨床における新人教育の1例を参考に、現状と今後の展開を考える。
●入職初期
現状…1人の新人に1人の教育担当が付き、一般業務から専門業務の支援を行う。本人は仕事の後に自己学習を行う。
展開…一般業務から専門業務まで動画などで資料を作っておく。チャット機能などがあれば、記録を残すこともできる。
●先輩のコツを後輩に伝える
現状…教科書を基にしたイメージを基に繰り返し行うことで共通理解を得られた。
展開…仮想現実(VR)などによる映像教材を利用してコミュニケーションに組み込む。
●日々の学習や研修
現状…症例検討会や勉強会、少し離れた場所での研修会に参加していた。
展開…オンラインで受けたい研修会に参加できる。
●計画的な教育・多職種との合同教育
現状…人員の関係で計画的な教育が困難。
展開…専門職用・多職種用の教育教材を残し、オンラインで共有する。
研修会等のオンライン化によるメリットは計り知れない。オンライン化することでクラウドシステムを利用でき、新人教育の効率化を図ることができる。
つまり、その分だけ新人の早い成長を望むことができ、組織の発展に繋げることができると考えられる。一方でon the job trainingのような技術面においてはオンラインに向かない部分もあるため、時間をかけて会得する必要があることも忘れないでおきたい。
記事:てつ@永遠の若手理学療法士