ロコモ・サルコペニア予防運動プログラムの開発と社会実装への取り組み

(220422配信)

ロコモ・サルコペニア予防運動プログラムの開発と社会実装への取り組み

沢田秀司、町田修一

総合リハビリテーション Vol.49 No.12 2021.12 pp1145-1151


Key word:ロコモ、自体重トレーニング、オンライン運動教室、COVID-19



★今回の記事はこんな方にオススメ!

・予防医療に興味のある方

・ロコモ・サルコペニア・フレイルについての知識を得たい方



今回はロコモ・サルコペニア予防に関する記事を紹介します。


ロコモ・サルコペニアに関連してフレイルという言葉も聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。それぞれの違いや予防の仕方、現在一部地域で行われている取り組みの例

について見ていきましょう!



【ロコモ・サルコペニア・フレイル】


●ロコモとは


2007年に日本整形外科学会によって提唱された概念で、「骨・筋肉・間接などの運動器の障害のために移動機能の低下を来した状態」と定義されています。ロコモ評価の中でロコモ度テストという移動機能のレベルと生活への影響度によってロコモ度1~3に分類される評価方法もあります。


●サルコペニアとは


サルコペニアはロコモの中で運動器障害の中の1つに位置づけられています。2018年には「転倒、骨折、身体機能低下、死亡などの負のアウトカムの危険が高まった、進行性かつ全身性の骨格筋疾患である」と定義されています。


●フレイルとは


日本老年医学会が2014年に「加齢に伴うさまざまな機能変化や生理的な予備能力の低下によって、健康障害を招きやすい状態」という病態の診断名であるFrailtyを訳語として命名したものです。①体重減少、②倦怠感、③活動性低下、④筋力低下、⑤歩行速度低下の5つのうち、3つ以上に該当する場合を「フレイル」、1~2つの場合は「プレフレイル」と呼ぶことが多いです。


これら3つの関係について、ロコモ度が進展している程サルコペニア、フレイルの有病率が高い報告があることから、ロコモはサルコペニアやフレイルの前兆である可能性が指摘されています。このことからロコモ予防が如何に重要であることが分かります。


初めてロコモ、サルコペニア、フレイルといったワードを見た・聞いた方はどれも似たようなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか?進展のイメージとしてはロコモ → サルコペニア → フレイルと覚えておくと理解がしやすいかもしれません。



【ロコモ予防運動プログラム】


順天堂大学では「寝たきりゼロ」を目指し、千葉県の市町にて運動教室や体力測定会を開催し、データ収集・分析を通してロコモ予防運動プログラムの開発および検証を行っていました。


このロコモ予防運動プログラムは自体重を利用したもので、いつでも、どこでも、誰とでも手軽に実施できるという特徴があります。且つ、トレーニングの原則の1つである「過負荷の原則」についても、回数や動作スピード、セット数などを変化させることで調整することが出来るようになっています。


このロコモ予防運動プログラムは実際に地域住民を対象に行われており、筋量、筋力、身体機能の改善といった成果が得られています。



【コロナ禍における運動指導】


2020年よりコロナ禍において、外出の機会が減り人々の身体活動量の減少が生じたことは想像に難くありません。これは高齢者においては大きな影響であり、社会の繋がりが乏しい高齢者ではすぐに改善されない傾向も示されています。現在、高齢者におけるロコモ、サルコペニア、フレイルの進展予防が急務なのです。



【Impressions】


今回の記事ではロコモ、サルコペニア、フレイル予防はとても重要であることが分かりました。


特に、コロナ禍が長期化する中ではその傾向が強くなっていることも推測され、今回紹介されている「ロコモ運動予防プログラム」に関する知見を得ておくことは重要です。更には対面で運動教室が行えない場合を考慮して、オンラインツールを活用方法についてもより発展させていく必要のある部分になりそうですね。



●明日からできること!

・ロコモ運動予防プログラムについて知識を得ておく



文責:テツ@永遠の若手理学療法士




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