理学療法における骨粗鬆症予防のための運動療法

(20211231配信)

理学療法における骨粗鬆症予防のための運動療法

佐藤勇太、田中聡

Journal of Physical Therapy Vol.38 No.8 2021.8 P702-714



【アブストラクト】


 骨粗鬆症患者数は年々増加傾向であり、理学療法士は骨粗鬆症に取り組むべき専門家である活動などが紹介されててきている


1 骨粗鬆症患者の理学療法評価

骨粗鬆症とロコモは同時に予防する必要があり、ロコモの評価が有効


2 骨粗鬆症を予防するための理学療法

一般的な方法と年齢別の介入方法


3 シルバーリハビリ体操について

表で分かりやすく評価や運動療法が紹介されている



【基本構造】


 骨粗鬆症に対する理学療法の位置付け、骨粗鬆症に対しどう理学療法評価をすれば良いか、実際に骨粗鬆症予防に対しエビデンスに基づいた運動が記載されている。



【内容】


 骨粗鬆症患者は年々増加傾向である。骨粗鬆症を転機とした転倒・骨折による健康寿命の短縮、医療・介護費の圧迫を招いている。骨粗鬆症予防が重要になっていくる。

 骨粗鬆症自体の評価は理学療法士には困難である。ロコモと骨粗鬆症は多くの関連性があるとされている。ロコモと骨粗鬆症を同時に予防することが有用で効果的と考えられる。そこでロコモの評価を行うことが有用である。


まずロコモチェックを行い、該当する場合はロコモ度テストを行う。ロコモ度テストは3つに分かれており、その結果でロコモかロコモ1〜3度を判定する。また、ロコモ評価以外でも転倒リスク評価、認知機能評価、サルコペニア評価も推奨されている。

骨粗鬆症予防のための運動は、有酸素負荷運動および筋力トレーニング、椎体骨折予防する背筋強化トレーニング、転倒を予防する筋力トレーニングおよびバランストレーニングが挙げられる。


 骨密度は29歳でピークとなり、そのほとんどが18歳で獲得される。高い骨密度獲得には18歳より前からの介入が効果的である。中学校や高校でのクラブ活動が効果的である。


 中高年者は、歩行や太極拳で腰椎骨密度を周囲に上昇、ジョキングやダンスやジャンプで大腿骨近位部の骨密度を上昇したという報告もある。

 

 

【面白かった点・感想】


 骨粗鬆症予防に対する評価と治療が分かりやすく記載されている文献だと感じました。文献内に記載されている表を見るだけでも臨床に活かせる内容だと思います。評価も治療も難しいものではなく誰にでもどこでも取り入れることのできる物だと思います。



【結語】


 最近コロナの影響もあり、骨折で入院してくる患者さんが多いと感じています。ベッドで苦しんでいる患者さんを多く目にしています。そういう方が少しでも少なくなるよう必要な知識が記載されている文献です。是非読んでみてください。


記事:琢麻


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