学習理論・教育理論

(20211105配信)

特集:リハビリテーション医療における新人教育

学習理論・教育理論

駒沢 伸泰

総合リハビリテーション Vol.49 No.6 pp541-546


Key word:アクティブラーニング、ミラーの学習ピラミッド、やり抜く力(Grit)、シミュレーション教育法


【要旨】


リハビリテーション教育を含む医学教育全般において新人教育は後進育成・医学発展のために必要不可欠である。新人教育においては様々な学習・教育理論がありその一部について記されている記事を紹介する。


近年の国家試験合格後の新人医療者はミラーの学習ピラミッドにおける「Show How」を目指すこととなる。そして、質の高い医療である「Does」を目指し、その後には未来の医療問題に対応するための研鑽を積む必要がある。


そこで新人教育において役立つ学習・教育理論について「アクティブラーニング」、「成人学習理論」、「Grit」、「シミュレーション教育法」を紹介する。



【アクティブラーニング・成人学習理論】


“学習者自身”が学習の目的を理解し、“能動的に学習を行う”ということが重要とされている。この姿勢は自己管理が求められる新人医療者にとって必要不可欠なものとなる。


能動的に学ぶことで知識や経験が成長に繋がりやすく、その経験を実現するためには教育者のサポートはもちろん、学習者同士のコミュニケーションが重要となってくる。



【Grit】


Gritは「何かの目的を達成するために長期間にわたり、継続的に粘り強く努力することで、物事を最後までやり遂げる力」と定義される。つまり、やり遂げる力を維持し、ステップアップに必要なスキルを獲得できればプロフェッショナルになれるという考え方もできる。


そのためには、学習者自身の興味などの内的因子、ファシリテーターの存在や研修などの外的要因が欠かせないものとしている。



【シミュレーション教育法】


シミュレーション教育法は字の通り、シミュレーションから得られた経験を積んでスキルを獲得するものである。


臨床現場で経験からスキルを獲得するというのが一般的であるが、一次救命や災害対策についてはその「経験」を得ることが難しい。1度目の経験から円滑に対処できるためにはこの教育法を活かす他ないだろう。



【コメント】


今回紹介した記事では「能動」という学習者側の姿勢が強調されているように感じた。新人の時から与えられる環境を当たり前とせず、自身から能動的に動くことを意識することがやり遂げる力を伸ばし社会人としても、医療者としても成長できるのだろう。



私は先輩となる立場であるため、新人の能動性を引き出すための経験・研鑽のサポートを心掛けたい。もちろん、自身の研鑽を積むためにもGritは意識して成長させたい。



記事:てつ@永遠の若手理学療法士


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