足関節外反捻挫に対する理学療法の進め方
瀧口耕平/伊藤浩充/川上寛貴
Journal of Physical Therapy Vol.38 No.3 2021.3 P223-231
【アブストラクト】
1外反捻挫しやすいスポーツ、受傷機転、治癒期間
2理学療法診断の考え方(問診、視診、触診、アライメント評価、可動域評価、筋力評価)
3症例提示
4理学療法介入の効果判定(ファンクショナルパフォーマンステスト)
【基本構造】
足関節捻挫はスポーツ外傷の一つであり、内反捻挫と外反捻挫に大別される。 外反捻挫の方が発生は少ない。足関節捻挫は再発率が高く、慢性化することで軟骨の損傷・変形性足関節症・足関節不安定症を起こすと報告されている。
この文献ではスポーツ外傷による足関節外反捻挫について理学療法の進め方として問診、視診、触診、アライメント評価、可動域評価、筋力評価のポイントが記載されている。その後、実際の症例提示と理学療法介入の効果判定が記載されている文献です。
評価としてleg-heel-angle、アーチ効率、Feiss線、距骨下関節・横足根関節の可動域評価、足部内在筋での足趾屈曲運動、ファンクショナルパフォーマンステストが記載。
【著者の言いたいことをまとめてみる】
評価としては距腿関節・距骨下関節・横足根関節の可動性、後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋の筋力と足部内在筋の機能評価が重要となる。
スポーツ競技に必要な動作・運動の遂行達成度を評価するにはファンクショナルパフォーマンステストが有効である。しかし、スポーツ外傷では各競技に置いて「どのようなパフォーマンスが求められるか」について理学療法の観点から分析する必要がある。
測定値だけでなくその動きの「質」や競技者の「感覚」なども理学療法のために考慮する必要がある。
【面白く感じた点と自分の意見】
各足部関節、筋力、ファンクショナルパフォーマンステストの評価は覚えておきたいです。
スポーツによる外傷は機能面を評価するのでなく、その競技者にとって何が必要でどう感じているか考慮する事を忘れない必要があると改めて感じた。
【結語】
各機能評価から、競技に必要な遂行動作の評価まで紹介されているため、一連の流れで足関節外反捻挫に対する理学療法診断の進め方が分かりやすい文献となっています。
スポーツ競技者の理学療法は難しいと感じている方が多いと思います。そのような方にも読みやすい文献だと思います。
記事:琢麻