足関節・足部周辺の外傷・障害に対する理学療法診断の進め方

(20211010配信)

腰部多裂筋に対する評価とmotor control training

隈元 庸夫 

理学療法ジャーナル Vol.55 No.6 ・2021.6 p647-653



【文献の要点】


・local stability muscle(LSM)は腰部安定化、global mobility muscle(GMM)は関節運動制御としての役割を持つ。


・多裂筋は腰部のみならず、四肢の運動、姿勢調整に関与するため、四肢の運動時の安定性の評価が重要となる。


・motor control training(MCT)は低負荷にて、制御されてない動きの修正、腰部アライメントの再学習を目的に行う。


・MCTにより腰部が安定し腰痛の改善が見込める。



【文献の基本構造】


腰部多裂筋について

→深層筋はtypeⅠ線維が多く、より安定性に関与するなどの特性を説明。


安定性の評価の方法

 →評価の着眼点を3つのポイントから説明。

 →座位、立位、立ち上がり、四つ這い、Crock lyingでのテストを紹介、解説。


motor control training (MCT)

 →LSM、GMMに対するMCTを紹介。




【著者の伝えたいこと】


・腰部のニュートラルゾーンでの運動を捉えることは難しい。理想的な身体の動きを理解した上で、姿勢の評価、そして治療やフィードバックを行う必要がある。


・四肢との関係、姿勢制御としての役割も持っているため、四肢の運動での腰部安定性の評価が重要である。


・MCTの本来の目的は腰部のアライメントの再学習。



【文献を読んでみて思う事…】


・評価の着眼点から各肢位での評価、テストが紹介されている。アプローチ方法と合わせて説明しているため臨床へ活用しやすいのではないか。


・腰部は身体の中心であり、どの動作においても関与してくる部位。基盤である腰部を理解することにより他の動作にも生かせる知識である。



【まとめ】


・各肢位で評価やそのポイント、アプローチ方法が細かく記載されている。腰部疾患や腰部不安定性のある症例などに対して、明日の臨床から活用できる内容となっている。


・腰部安定性の評価をどのように実施しているだろうか。本稿にて評価の着目点から評価方法、そしてアプローチまでの考え方の学習、また自身の評価の見直しに活用して頂きたい。



記事:ながちゃん


セラレビ無料メルマガに登録いただければ

・先輩のまとめたジャーナルレビューをメールでお届けします
・週1〜2回(毎週日曜日、金曜日にお届けします)

是非、無料で勉強できる環境を整えてください

メルマガの詳細