フレイル高齢者に対するホームエクササイズ指導のポイント

(220729配信)

フレイル高齢者に対するホームエクササイズ指導のポイント

土井剛彦

Journal of Physical Therapy Vol.39 No.3 2022.3 P 246-257



【アブストラクト】

フレイルについて

フレイルの病態が記載されている

フレイルに対する運動の効果

フレイル診療ガイドを基に運動効果が記載されている

ホームエクササイズの実際


運動の実践方法が資料を記載されながら説明されている。



【構成】


  日本では、高齢者の健康寿命延長が重要な課題とされている。フレイルの高齢者では、要介護状態や死亡するリスクが高くなる。また、フレイルの状態でとどまることや機能改善が見込まれる状態であるとされている。


フレイルの病態とフレイル対策の一つであるホームエクササイズの有効な手段が記載されている文献である。



【内容】


 フレイルとは、「高齢期に生理的準備能が低下することでストレスに対し、脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなる身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどのどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会問題を含む概念である」とされている。


フレイルは可逆的な状態であり、適切な介入により改善可能とされている。評価基準として、CHS基準がある。体重減少、筋力低下、易疲労感、歩行能力低下、活動低下の5要素により判断され、3以上が該当すればフレイル、1〜2はプレフレイルとされる。


 歩行速度低下や握力低下として認められる身体機能低下に対し、運動介入が効果的であるとされている。コクランレビューによれば、運動介入が歩行速度をはじめとする歩行機能を表す身体機能評価指標、バランス機能を表す身体機能評価指標をそれぞれ向上させることが認められている。


レジスタンストレーニングに焦点を当てたシステマティックレビューでも同様の結果が認められている。


 高齢者が実施するホームエクササイズで重要なことは、「継続し実施できるような指導やそのための資料活用」である。


ラジオ体操やご当地体操を有効活用するのも方法である。また、安全性も考慮する必要がある。専門職によるリスク管理の共時的に出来ないため、事前に確認しておく必要がある。最近では、スマートフォンアプリを活用し、ホームエクササイズを含む高齢者健康増進に資するツールが開発されている。



【面白かった点と感想】


 フレイルに対する需要が高まってきている為、フレイルに対する介入の重要性を再確認できた文献だと思う。


体操指導の説明資料をわかりやすく図として記載されており、自身の臨床でも患者に説明する上で参考にしたい内容である。



【結語】


フレイル高齢者に対し、ホームエクササイズの指導する上で、必要な考え方が記載されている文献である。

是非一読をお勧めしたい。

 


記事:琢麻


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